ささやかな収入

この時期になると
ウチの会社の技術者たちは
ささやかな収入
がある

いわゆる、
法律でも規定しているとやらの
職務発明対価というやつだ

儂も、もちろん毎年、
ほんの僅かだが、
もらえるものはもらっている

今年も、
予想通り

何年か前までは、
特許出願や登録で、
製品に絡んでいるものは一律○万円、
絡んでなくても一律○千円
って感じで、
結構いい臨時収入
だったんだが、

青色ＬＥＤとかいろいろな訴訟が世間を騒がした時期に乗じて会社が対価の算出方法を変えた

製品に絡もうが絡むまいが、
一律○千円
その代わり、
発明が登録になったら
その年の売上に応じて
対価計算で出た額も支給
になった

今までが杜撰というか、
適当だった
だけで、

この変更こそが、発明の対価に対する
本来の姿だろうから、
文句はいえない

ただ、そのおかげで、
まさに血と汗の結晶というべき発明であっても、
思いつきで理論だけの発明であっても、
一律○千円に・・・

それにウチの会社の製品は、
子供のおこづかいでも買えるくらい単価が安いもの
電化製品とか自動車とかみたいな単価が高いもんじゃないから
かなりの売上がないと、
対価計算で算出される額は１００円にもならない
１億円の売上に対して、
１万円くらいの比率だ

安価なものだけに、
ほとんどの製品寿命が２～３年

発明の登録の審査はお役所の仕事
もちろんマイペースでゆっくり

昔より早くなったとはいえ、
３年以上かかる

発明の対価は、
その年の売上だから
発明が登録になった頃には、
製品はなくなっているか、
あっても売上は発売当初より小額

そんなもんで、
振込手数料未満
なんて奴が大半

儂は、さすがにそこまではいかないが
かなり小額
これに数件分の出願料と登録料

以後、
ささやかな収入
になってしまった

といっても、
これが本来の姿だし、
会社があるから発明も出来るわけだし、
ほかの部署の協力やら
営業マンが懸命に売ってくれるから
製品が売れるわけだし

毎月給料ももらってんだから

まぁ、小額でも、
もらえるだけありがたい
と思っている